SHELLY DRUG is glorious．

衝動的に家を飛び出した。
持ち物は携帯と財布。
普段携帯を非携帯する人間なもので、それでいて自他共に認める程ひどく危なっかしい人間なので、携帯が鳴り止む事は無かった。電話、メール、色々。電源を切っても良かったのだけれど、そうすると警察沙汰に成るので電源は入れておいた。

どうして家を出たのか分からなくて、どうして親を騙してまで逃げ続けるのか分からなかったけど、T君（友人・愛）に訊いたら「日常が嫌」、なんだって。
でもほんとうに嫌で嫌で堪らなかったら、あたしは衝動的に家を飛び出る事なんてせずに計画的に飛び出ると思うよ。と毒舌吐いてみた。パンツ持ってスーツケース持って飛び出るのだ。それでは、皆様、「さようなら」。

あたしの家の周りにはファミレス関連が一軒も無く、全ての店を見ても二十一時で閉まってしまうのだ。つまり二十一時以降は行き場所が無くなる。それを知りつつあたしが飛び出したのは夕方の十六時だった。なにがいやだったのか。日常でしょうかね。鳴り止まない携帯を他所に、あたしは寒い足をその儘に、逃げ続けた。

交流関係を断ち切る様に歩んできたあたしに差し伸べられる手と言えば限られていて、あたしはどれひとつとして取らなかった為に、捕まった。

毎日が嫌い、すべてが嫌い。薬が切れて結局捕まった。
あたしは何処に行っても何処迄行ってもドラッグジャンキーなんだ。