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SHELLY DRUG is glorious.

「チミのデキのいいオツムなら一生賭けてもシェリィドラッグは理解出来ん」

あのね、わたしはさ。
あなたが手を引く強さとか、その熱とか重みとか、かけられた言葉の数々よりも自分が何をされたかのほうが覚えているんだよね。だってわたしはその時嬉しかったんだよ。頼ってくれて嬉しかった、頼られて嬉しかった、あてにされて嬉しかった、ああだいじょうぶだ、わたしはまだ必要とされている、必要としてくれる人がいる、ただそれだけをわたしはあなたの手の重みから勝手に感じて勝手に救われてたんだよ。だからわたしはあなたの手を引いて、杖の代わりになってたくさん歩いたね。あなたはとても強く強くわたしの腕を掴んだよね。わたしのぼろぼろになった腕を遠慮も容赦もなく掴んだよね、みんな怖がって触れやしないのにね。
ぎゅうぎゅう掴まれた腕にそのたんび泣きそうになったんだよ。

記憶の中のあなたは元気だ。いつもハツラツとしてて、闘病してても辛さなんて微塵も感じさせない。度胸だってあるし愛嬌もある。だから誰からも愛されてあなたは誰でも愛してくれたね。
葬式が所詮生きている人のためのものだとするならば、わたしは記憶のあなたを上書きしたくないので行かないよ。それにどうせ、死を受け入れられないわたしは決別も出来やしない。整理もつかない。会えない場所に行っただけだ。

なあ、わたしはどうすりゃいいんだ。
みんなわたしを置いて行ってしまうんだよ、遠く、とおくに。
どうすりゃいい、この死に損ないが生きててどうすればいい?
終ぞ最後のひとりを失ったよ、もういない、もういないんだ、ほかにはだあれも。
泣いて泣いて泣き腫らして目が痛いんだ、でもあなたはもういないし他の人もみんな死んでしまった。ねえ、わたしはどうすりゃいいの。
どうにもならないのは知っているの、正解もなければより良い選択なども人それぞれ。でも今だけはそう問うしかない、どうすれば。
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