「チミのデキのいいオツムなら一生賭けてもシェリィドラッグは理解出来ん」
おそらくだけれど毒母にとって自我のない子を作るのは無意識の行動に違いない。
無いというか、未発達と言うか。
「どうやって無くすの?」
「初めから存在しなければいい」
したいことしようとすることを逐一潰す。可能性を感じさせない。四肢をもぎとり思考を奪い、感情を粉々にし主張を無下にする。価値観を粉々にし倫理観を粉砕し思考回路を麻痺させ、がらんどうの傀儡となった自我を持たない子に、我が子、と名付ければいい。すりこぎで潰すよりも簡単な、自我粉砕クッキング。
「自我がないとどうなるの?」
「主人格がなくなるよ」
自尊心を失った人格は自分をとことん卑下しだす。
自己肯定と自己否定は常に表裏一体でやってくる。
精神はたやすくパンクする。
生きるために相手の支配を受け入れる。
「主人格がないとどうなるの?」
「主体性がなくなるよ」
何か好きとか誰が好きとかそんなものひとつも残らない。親に合わせて周りに合わせて他人格に合わせてころころころころ変わっていく内にほんとうのことなんてなにひとつ残らない。AでありBでありCでもあるがAでもBでもCでもないものが出来上がる。きもちのわるい生き物がここにいる。なににでもなく、なににもなれず、なににもありはしないもの。
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